業務の効率化
看護師の人手不足を打開するための施策として、ICTを導入する流れが加速しています。ICTを活用することで多くの業務が効率化され、看護師の負担は大幅に軽減されます。
ICTの活用例
医療分野におけるICTは、電子カルテや電子薬歴、遠隔診療、オンライン診療、介護施設や薬局との連携などのために活用されています。人手不足から看護師にかかる負担が重くなっている中、ICTを導入することによって大幅に労働環境を改善できると考えられており、さらなる技術の向上が期待されています。
看護師の業務効率化に役立つシステム
看護師の人手不足に悩む施設は全国的に多く、厳しい労働環境のイメージが定着するにつれ看護師を目指す人も減っています。病院以外の選択肢が増えていることもひとつの要因です。看護師を増やしたくても増えない現状を変えるためには、業務効率化のためにできることを行うしかありません。
ICTは一度導入すれば、さまざまな情報を瞬時に処理できるようになります。看護師不足で労働環境が悪化するのは、ナースステーションの常駐業務に人手が多く取られてしまうからです。とはいえ、ナースコールに即座に対応できなければ、患者さんの異変に気づくことができず深刻な事態を招いてしまう可能性があります。そのような現場にナースコールシステムが導入されると、常駐業務のための看護師がいなくても業務が回るようになります。ナースコールシステムはスマートフォンと業務システムが連動しているもので、病院内のどこにいてもナースコールに対応できます。ナースステーションに縛られる必要がなくなると、看護師の心理的な負担が減り可動域も広がります。
ナースコールシステムは、患者さんと看護師をつなぐだけのものではなく、スタッフ同士のコミュニケーションツールとしての機能も兼ねています。NECの「UNIVERGE」は、スマートフォンやタブレット、PCほかあらゆるデバイスを使うことが可能なナースコール連携ソリューションです。このようなシステムの導入には初期費用がかかるものの、人手不足の医療現場にとってはコストをかけてでも導入する価値があります。
どのような場所にいてもスムーズなコミュニケーションが取れ、スピーディーな情報共有が可能です。
ICT導入後に見られる成果
患者さんがコールボタンを押すと、連携しているスマートフォンに患者さんの氏名とともに通知が届きます。通知を受け取った看護師の中ですぐに動ける人が対応するため、業務も心理的負担も分散されます。離床センサーとカメラを連動させて、患者さんの様子をスマートフォンでリアルタイムに確認できるシステムを導入した医療現場では、緊急時の対応が適切かつ迅速にできるようになりました。業務ごとに端末を使い分ける必要がないため、業務効率を大幅に向上させることもできています。今後は、すべての職員が専用のスマートフォンを活用できる体制づくりを進める病院が増えていくことが予想されます。
人手不足で疲弊している看護師へ
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なぜ人手不足になっているのか?
看護師が不足するとどうなるのか?
看護師の人手不足は、さまざまなところに重大な影響を及ぼします。人手不足の現場で働く看護師の業務負担は重く、ストレスや不安から離職を考える可能性が高まります。離職者が増えると残った看護師の負担がさらに重くなり、離職者をまた増やすことになりかねません。看護師の疲労が限界を超えてしまうなら、看護の質が落ちて患者さんにも不利益が発生します。看護師の確保が難しい地方の場合、人手不足が病院の閉鎖にまでつながることもあります。
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深刻さを増す人手不足を打開するには?
業務の効率化
看護師の人手不足を打開するためには、労働環境を根本から見直す必要があります。人手不足の医療現場における労働環境の改善に役立っているのがICTです。ICTを看護師の業務に取り入れると、電子カルテや電子薬歴の照会、遠隔診療、介護施設や薬局との連携、ナースコールなど幅広い業務を効率化できるようになります。実際にICTを導入している医療現場では、看護師の負担を減らしながら看護の質を高めることに成功しています。