看護師が不足するとどうなるのか?
すぐにでも改善に向けて動き出さなければいけない看護師の人手不足問題ですが、このままの状況が続けば医療現場や患者さん、地域の人々にも大きな影響を及ぼすことになります。
看護師1人に対する負担が重くなる
看護師不足の現場では、1人の看護師にかかる負担がどうしても重くなりがちです。業務量が多くなり、精神的負担もどんどん重くなっていきます。疲れを翌日に残す日々が続くと、休日があっても十分な休息が取れなくなります。いつも疲れている状態が長くなればなるほど、心身の健康が脅かされていきます。仕事への不満からストレスや不安を抱えるようになると、いつしか離職について考えるようになります。人手不足で仕事がきついことを理由に看護師が離職すれば、残った別の看護師にはさらに負担がのしかかります。そうして離職が離職を呼ぶ負のスパイラルに陥ってしまうのです。
限界に達すると看護の質が低下する
看護師が足りないと、看護師1人にかかる負担が増えて看護の質を低下させます。手厚く看護したくてもできない状況は医療ミスを誘発する危険があり、患者さんの命に関わる重大な医療ミスが発生するリスクを高めます。重大な医療ミスは言い訳が許されない問題とはいえ、人手不足の現場でできることには限界があります。その限界を超え続けるならば、思わぬ事態が発生する可能性が高まるのは必然です。
患者さんに不利益が発生する
救急搬送しなければならない患者さんでも、なかなか病院が見つからずにたらい回しになるケースを耳にすることが増えています。病院が診療できない理由はさまざまですが、その中には看護師の人手不足もあるといわれています。行き先が決まらないまま患者さんが死亡してしまうこともあるため、人手不足による診療拒否はなんとしても避けたい問題です。
地方の病院の運営が成り立たなくなる
人口の少ない地方の地域には、看護師の確保ができず閉鎖に追い込まれる病院もあります。地域住民が通える病院はどんどん遠くなり、通院を必要とする患者さんの負担は重くなります。交通費もかかるため、治療にかかる費用も増大します。救急搬送の必要が生じた場合も遠くの病院へと搬送しなければならず、体調の急変に対する地域住民の不安とストレスは大きくなるばかりです。
看護師の人手不足は、職場内部のみが抱える問題ではなく地域全体を巻き込む重要な問題なのです。どこに住んでいても同じ質の医療を受けられるようにするためには、看護師の人員体制をしかるべき状態に立て直す必要があります。
人手不足で疲弊している看護師へ
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なぜ人手不足になっているのか?
看護師が不足するとどうなるのか?
看護師の人手不足は、さまざまなところに重大な影響を及ぼします。人手不足の現場で働く看護師の業務負担は重く、ストレスや不安から離職を考える可能性が高まります。離職者が増えると残った看護師の負担がさらに重くなり、離職者をまた増やすことになりかねません。看護師の疲労が限界を超えてしまうなら、看護の質が落ちて患者さんにも不利益が発生します。看護師の確保が難しい地方の場合、人手不足が病院の閉鎖にまでつながることもあります。
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深刻さを増す人手不足を打開するには?
業務の効率化
看護師の人手不足を打開するためには、労働環境を根本から見直す必要があります。人手不足の医療現場における労働環境の改善に役立っているのがICTです。ICTを看護師の業務に取り入れると、電子カルテや電子薬歴の照会、遠隔診療、介護施設や薬局との連携、ナースコールなど幅広い業務を効率化できるようになります。実際にICTを導入している医療現場では、看護師の負担を減らしながら看護の質を高めることに成功しています。