看護師の人手不足を打開するには?

待遇改善が急務

深刻な状況にある看護師の人手不足問題を解決に導くためには、待遇改善が必須です。新たな人材を迎えるための工夫だけでなく、離職せずに働き続けられる環境を整えることが大切です。

待遇改善が急務

労働環境を根本から改善する

労働環境を根本から改善することは、看護師の人手不足の解消に効果的な方法です。離職者の多くは、看護師の仕事そのものではなく労働環境に納得できずに離職しています。日本看護協会は、働く時間の長さを選べる「短時間正職員」や「変形労働時間」、「ワークシェアリング」をはじめ、働く時間帯や曜日を選べる「時差出勤」「フレックスタイム」などを推進しています。これらの他にも、交代制の働き方を選択できる方法や業務にバリエーションを持たせる働き方、勤務形態や働く場所が選べる働き方なども推進しています。多様な勤務形態を実現できれば、個人の事情に合わせて負担のない働き方が可能になります。労働環境が改善されると離職者は減って復職者が増え、看護師の人手不足の解消へと向かいます。

可能な限り待遇を改善する

看護師の人手不足は、具体的な対策をすればすぐに解決するという問題ではありません。そこで重要になるのが待遇の充実度です。給料や手当が業務の負担相応で納得のいく内容になれば、看護師が抱えるストレスの一部が解消されます。昇給や手当の増額など、数字としてはっきりとわかる形での待遇改善はそれなりの効果を発揮します。離職したい気持ちの中にモチベーションで乗り切れる部分があるなら、待遇の改善によって離職を防ぐことができます。

業務内容を見直し専門性に特化した業務を増やす

看護師の多くは、専門領域から大きく外れた業務を数多くこなしています。本来ならやらなくてもいいような雑務の量が多くなると、専門性を生かした職業に就いている感覚ややりがいが薄れてしまいます。研修の参加などを職場が推奨することで看護師としてのスキルアップをサポートするなら、やりがいを持って仕事に取り組むことができるかもしれません。

個人のライフスタイルに合わせた働き方の改善

労働条件や待遇に対する不満だけでなく、出産や育児のためにやむなく離職を選択する看護師もいます。看護師の仕事を続けたいという明確な意思がある場合には、ライフスタイルに合わせた勤務形態の見直しや夜勤の免除、時短勤務の導入などによって離職を食い止めることができます。休暇の取りやすい環境を作り、託児所を設置するなどの対策を講じることもできるでしょう。看護師が安心して無理なく働ける環境を積極的に作るなら、ライフスタイルの変化を理由に離職する必要はなくなります。看護師不足の解消は、新たな人材を確保すること以上に今いる人材をどれだけ大切にできるかが重要なポイントとなるのです。

新着記事